UX KANSAI #04 質的調査(記述と分析)(2017.9.2)
9/ 2(土)はモトローラ・アイデアソン...ではなく、UX KANSAI。
サービスデザインの初手・調査(定量・定性)
調査には定量調査と定性調査の2つがあり、本日は後者について。
参考「イノベーションの機会を発見」する最初のところ。
- 定性的な事実を自分の目で捉える。感情移入し、仮説を持たず事実を基に考えを深める(探索的情報収集)
- 事実の関係性を探り背景を推測する(概念化)
- 課題の定義・改善案の発見(仮説生成)
サービスがコモディティ化する中で、統計的なマーケティングから個人のプライベートに参与した質的調査の重要性が増している。
個々の事象を先入観なく集める。事象のコンテキスト探り概念化して「問い」を立てる。そして洞察する(←むずいわ)
調査の目的
大きく2つ。
1つめは、将来のこと。何だか分からないことを明らかにする・新しいコンセプトを開発する。
2つめは、現在のこと。既存サービスの分析と改善。
前者は「エスノグラフィティ」という調査方法を使って分析。もうどっぷり対象に入りこむ。ターゲットと一緒に過ごし、生活に入り込む。
後者は「行動観察」を使って分析。対象をただただ観察。観察している中で出てくる「あれ?」と思うポイントを見つける。そのポイントについて「なぜそういうことをするのですか?」と聞く。
最初に聞くのはダメ絶対。
「行動観察」のポイントは、最初にターゲットに質問しないこと。ターゲットを見つけて「何か困っていることはありませんか?」とか聞くやつは●●だ。
現場の状況を観察。次に、行動の背景をインタビューする。この順番が大事。これができて初めて、事実に基づく分析ができる。
全ての情報をフラットに見るのはダメ絶対。
行動の背景をインタビューする時、何についてインタビューするのか?それは前出の「あれ?」と思うポイント。観察する中で興味が沸くところのみを深堀りする。
興味が沸くことを「焦点化」といい、これができないと以降の作業はできない。
焦点化の反対にあるものが、情報をフラットに扱う「平均化」。ちょっと話しは逸れるのだけれど、この「平均化」が得意なのがAI。
AIは膨大なデータを食べて平均化して、1つ1つの事象に照合していく。この照合スピードがここ最近格段に速くなり、AIの活用が加速化している(※AIのことを知らずに書いているので、間違い前提の文章です。ご容赦を)
「焦点化」できるかどうかが、今後のビジネス世界で生きているかどうかのポイントのような気もしてきました。
いざフィールドワークへ!
テーマは「人はどんな時に何が嬉しいのか?」。これを分析すべく、いざ京都の街へ。
今回、私はワークをする側ではなく、ワークをする人を観察する側として参加。受講者の皆さんの後についていくだけ。途中ではぐれてしまい、結局あまり何もできず仕舞い(汗)。
ただただ汗をかいた午後でしたが、(テーマから少し話しは逸れるものの)去年ワークをする側として参加した経験から感じたことを備忘メモとして残しておきます。
初動が大事
テーマに対して決まっているのは時間だけ。どこで何を観察するのかは各チームで考える。
時間が限られているので、どこに誰がどうやって現場に行き、そこでどう観察をするのかを最初に考える。
ここでどこまで具体的にメンバー間で摺り合わせできるかがとても大切。
初動は軽く
とは言え時間は限られているので、大枠きめて「とりあえずやってみる」で、やってみて軌道修正するのがとても大事。
私が付いていったチームは、(最初の方針決めには立ち会っていないので分からないのですが)やりながら軌道修正をしていて、とても良い動きだなぁと感じました。
一方、私も去年そうだったのですが、最終的なゴールに対するイメージが掴み辛かったようで、(最初の大枠決めに改善の余地があるのかもです)今日集めたデータが今後どうのように活かされるのかが気になるところです。
意思決定は誰がするのか?
上記店と重複するのですが、どのように最初の摺り合わせをするのか?どう段取りするのか?これについてどう全員の合意を取るのか?ワーク中いくつかのジャッジポイントがあります。これをどう決めるのかについて合意形成ができていないと、以降の検討がふわっとしてしまうなぁと感じました。
※このあたりのことは「Startup Weekend」にも参加して感じたこと。
以下、当日撮った写真群。今回のセミナーと全然関係ない内容ですが、「焦点化」しようとすると、普段の景色が気になってきますね。
御所に来るのは初めて。会場は御所の近くの「京都YWCA」。
YMCAではなく、YWCA(google先生が正しく住所を教えてくれなかったのは、前者と勘違いしていた使い手のせいだとこのとき気付く)。
お供させていただきます。
腹筋をする人。ベンチは硬くてやり辛いのに、なぜわざわざ御所で?
寝転び読書する外国人。なぜ御所で?
あと、写真は撮れなかったけれど、マットを敷いてトレーニングしている外国の方も、なぜ御所で?
木陰で運動する外国の方。
お昼ととりながら作戦会議。
浅野先生は辛い麺を汗だくになりながら平らげていました。「熱いわウマいわで汗だくになって食べちゃうよね」と。むちゃ嬉しそう(しまった、写真撮れなかった...)
隣の席ではマダムたちがビールを飲みながら嬉しそうにしてた(もっとちゃんと観察すりゃよかった)
三条商店街に向かおうとしたけれど、結構遠いのでやめ。
進々堂の工場ってこんなとこにあるんだ!
工場近くに店舗もある。なんだか他の店舗よりおいしいパンが置いていそうなイメージ。
買うよね(ランチ5分後)
御所から出ると向こうの道路で外国の方がたくさん。。。
渡ってみると、個性的な風貌のガイドさん。
聞くと、「ジョー岡田さん」という有名な方らしい。サイン入りのガイドブック。
おじいちゃん・おばあちゃんが輪投げスポーツみたいのしてた。
他の公園でもそうだけど、水辺には必ず家族連れが集まる。
御所横の歩道。かなり細い。今朝、外国の方が歩いていて、後ろでチリンチリンとベルを鳴らしまくる御所マダムがいたのだけれど、外国の方は全然気付かない。海外にはベルはないのか?確かに海外では道路をシュンシュン飛ばしているイメージがあるので、ベルの用途が違うのかも????
会場に戻る
1つのPCでみんなで共有するチームもあれば
まずはそれぞれ作業をして後で共有するチームもあり、アプローチは様々。
偶然かもだけれど、女性の比率が高いチームは作業進捗がとても早い(ように見えた)。手を止めている人はいなくて、手が空きそうになったらカードを切って枚数数えてテーブル中央にまとめたり...各自緩やかに連携しながら各々で動いている感じ。
作業しやすい環境つくりも大事。机が狭いなら床でやる。
所用のため終了時間を待たずに会場を後に。もっと見たかった!(そして次の日の分析も見たかった!)