『1分で話せ』読書メモ
書かれているのは大きく3点。
- そもそも知っておくべきこと
- 話しの組み立て方
- 伝え方
そもそも知っておくべきこと
大前提「人は、相手の話の80%は聞いていない」
そもそも注意が別に向いてたり(面と向かって話しを聞いていても、頭の中では「眠い」とか、「プラモのカラーどうしよっかな...」とか考えている)、好意的に聞いてくれている人でも、そもそもの主張を理解していなかったり、誤解して伝わっていたりする。
これは、相手の理解力が悪いということでも、自分の伝え方が悪いということでもない。コミュニケーションとはそういうもの。
目的を何と捉えているか「何のためのプレゼン」なのか
プレゼンの目的は、自分の思っていることをスマートに伝えることでも相手に自分の想い・考えを理解してもらうことでもない。
プレゼンを聞いて、相手に「動いてもらうこと」が目的。
プレゼン力とは「人に動いてもらう力」(かっこよく話す力とか、会場を沸かせるような情熱的なプレゼンをする力ではない)。捉え違いのないように。
「人に動いてもらう」ために押さえておくべきポイント(聞き手はどんな人か)
ポイントは、「(どこで)誰に、何を、どうしてもらいたい」を言語化すること。
この中でもキーになるは「誰に」。
相手が誰なのか?何を考えているのか?について想像を膨らませる。
具体的には、
- どういう立場にいるのか
- どういうことに興味があるのか
- どんなことをプレゼンに求めているのか
- 専門的な要素についてどのくらい理解できるのか
- 何をどんな風に言うとネガティブな反応をするのか
このあたりは押さえておくべき。
ゴール設定忘れずに(プレゼン後、聞き手をどの状態に持っていくのか)
「プレゼンの目的は、この企画を理解してもらうこと」ではダメ。
話す前に聞き手が「どこまでやればいいのか」を決めておくべき。
- 聞き手が賛成にせよ反対にせよ、何らかの意見を表明してくれればいいのか
- 聞き手が賛成してくれたらいいのか
- 聞き手に動いてもらう必要があるのか
「右脳」と「左脳」に働きかける
左脳はロジック。右脳は情熱。
結局、人は左脳で理解し、右脳で感じて、それでやっと動ける
「ロジック」とは「分かりやすい」こと。結論と根拠がはっきり繋がっていること。
「情熱」は人を動かすために必要な要素。熱狂するマインド。
上記のように、「何をどう話そうか?」ということよりも、そもそも相手が誰でどういうコンディションなのか?何のために話すのか?結果、どうしたいのか?を押さえておくべき。
話しの組み立て方
ピラミッドでロジカルにストーリーを考える
伝えようとすることの骨組みは、結論と根拠(+事実)をセットで構築する。
▽参考
結論と根拠が繋がってないと、相手は「何が言いたいの?」状態になってしまう。逆にそこがきちんと繋がっていればOKで、これが「ロジカルに考える」ということ。
(そもそも)「考える」とは
「考える」とは、結論を出すこと。
大前研一氏曰く
考えるとは、知識と情報を加工して、結論を出すこと
自分の中にある情報と外から集めた情報を加工して、それを根拠に結論を出すこと。事実やデータは結論ではない。
ちなみに、「考える」と「悩む」は違う。悩んでいると結論は出ない。「悩み」はとある事象(仮説?)が頭の中でぐるぐる逡巡しているイメージ。
話しがかみ合わないときは「前提」をチェックする
また、ピラミッドが成立しても、聞き手との前提がずれている場合は、どれだけ話しても会話がかみ合わない。
以下のような前提を認識しておくと良い。
- こんな事例において
- 今の時代において
- このコミュニティで
正しいことを言うだけでは人は動かない
どれだけロジックに話しが展開できても、人は動かない。
人は、イメージを想像することで感情が揺さぶられる。この感情の揺れとロジックがあって初めて、行動に移す。
相手の感情を揺さぶるためにはイメージを想像してもらう必要がある。
「例えば」と具体例を提示したり、「想像してみてください」と、聞き手の色々な経験を自分が伝えたいイメージと組み合わせてもらうことで、想像を膨らませてもらう。
「超一言」で記憶に残す
結論と根拠のピラミッドを作り、ロジックで「左脳」を納得させる。次に写真や絵、動画や具体例でイメージを想像させて「右脳」を刺激する。
これで聞き手は話しを理解し、よりこちらに思いを向けてくれる。
ただし、これでもまだ不十分。
相手に「動いてもらう」ためのひと押しが必要。それは、自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表すこと。
かっこいいネーミングにする必要はなく、「覚えやすく、その一言で、プレゼン全体を表現するようなキーワード」。
伝え方
身振り、手振り、目配せ、何でも
話し方だけではなく、姿勢、立ち居振る舞い、意気込み、顔つき、目つき、超えの出し方、間のとり方など、全ての要素をフルに活用しながら、聞き手を動かしていく。
ミュージシャンがライブで、曲やメッセージに合わせたアクションで思いを伝えるが如く。
メタ認知
話している自分と聞き手を俯瞰してみる。さらに聞き手に憑依して、聞き手が自分のことをどう思っているのか想像しながら、話す内容を修正していく。
まとめ
本書の最後の方には、以下のようなことが書かれています。
人に何かを伝え、動いてもらうために一番重要なことは、あなたの「思い」。
これから伝えようとしていることは、自分が一番詳しいし、自分はそのコンテンツに一番自信を持っているし、一番好きだ。くらいの強い思いを持ち、聞き手にぶつける。
人間は、基本的に変化を嫌がる性質を持っている。だからこれくらいの思いをぶつけないと相手は動かない。
難しいことではない。普段の生活でも趣味や好きなことには情熱的に話しているはず。それを仕事においてもやればいい。
これと同じようなことは前著『キングダム 最強のチームと自分をつくる』にも書かれていました。
発音や声量ではない、語る内容を、世界で一番、自分が好きになればいい(自己暗示でもいい。自分が成したいことを、世界で一番好きになればいい(なる努力をするべき))
最近、よく「正しい努力」を意識することが多いのだけれど、自己暗示でもいいから目の前で任されていることを好きになる努力は、その1つなんだろうなと思ったり。
その次に、1分で話せるための努力が必要になってくるんだろうなぁ。