keita_shimabの日記

京都在住Webディレクターのイベント参加メモや読書メモなど。

「カンブリアナイト19京都」参加メモ

2019年二発目の参加イベントはカンブリアナイト。

テクノロジーやサービス提供者のピッチが、フランクな雰囲気で聞けるイベントです。

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※カンブリアナイトの説明は、過去の参加ブログを参照ください!

keita-shimab.hatenablog.com

 

今回は4名のスピーカーが登壇(中にはCES出展者も!)。

ピッチを聞いていたオーディエンスから支援・サポートを申し出る場面もあり、本イベントが目指す「新たなコラボレーションの可能性」を目の当たりにすることができました。

 

ピッチテーマ、登壇者は以下の通り。

  1. 「日本初の“母乳分析”サービス」荻野みどりさん(株式会社Bonyu.lab)
  2. 「ヘルスケアアプリのデータコミュニケーション」齋藤恵太さん(Goodpatch Anywhere 事業責任者サービスデザイナー)
  3. 「食の個別最適化の可能性」服部慎太郎さん(株式会社スナックミー)
  4. 「“リアリティ”のある触覚体験―認知科学の視点からー」平尾悠太朗さん(早稲田大学大学院)

Facebookイベントページから抜粋

www.facebook.com

 

ブログでは4名のピッチを2名ずつに分けて紹介します。

本記事では、荻野さんと齋藤さんについてです。

 


母乳のクオリティをより良くするお手伝いをする『BONYU』

母乳の栄養素を科学的に分析し、ママに必要な栄養・食事のフィードバックがもらえるサービス。
ベースにあるのは母乳絶対主義ではありません。

せっかく生成される母乳のことをもっとよく知り、子育てサポートを目指すサービスです。

 

サービス概要はこちらの動画をご覧ください。

www.youtube.com

 

荻野さんのバックグラウンド

CEOの荻野さんは、ブラウンシュガーファーストというオーガニック食材をスーパーやコンビニなどに卸す事業も手がけられています。

bs1st.com


こちらの事業は道筋が立っているためメンバーに運営を任せ、ご自身は新事業に取り組むべく『BONYU』を立ち上げられました。

 

CESに出展

毎年1月にラスベガスで開催されるCESにも出展されました(「母乳」というユニークな切り口もあり、会場では一定数の目を惹いていたのではと想像します)。

www.youtube.com

 

母乳育児の現実

海外でも母乳育児の関心は高く、アメリカでは2年間の母乳育児が推奨されているそうです。一方で出産後2ヶ月で職場復帰する方が多く、出産後半年経って母乳をあげられているママは22%しかいないのが現実。

 

比率こそは異なるものの、母乳育児ができない状況は日本も同じ。

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実は誰も知らない「理想の母乳」
「母乳」に関する論文やデータは意外と少ないそうで、『BONYU』は科学的に数値化された「理想の母乳」を追い求めます。

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「理想」は成分ベースで定義するのではなく、例えばママのライフスタイルや赤ちゃんの月齢・健康状態までもが考慮されたもの。

直近では、ママと赤ちゃんのライフログの取得を実現したい!とのことでした(まだモックアップですが、赤ちゃんのウンチの画像を撮り AIで分析する...という非常に興味深いお話も聞けました)。

 

正式版プロダクトのローンチ、さらに●●も!?
センシティブな内容も含まれるので詳細は伏せますが、正式版プロダクトのローンチ時期(※現在はβ版)や、さらなるマーケット拡大を目指したお話しも聞けました。

 

会場では、サポートに手を挙げる方との出会いもあり、今後の事業ブーストへの期待感が高まるピッチとなりました。

 


「ラバブル」なプロダクト&サービスデザイン

続いてGoodpatch齋藤さんのお話(「prott」いちユーザーとして、目を輝かせながら聞いてしまいましたw)。

 

選ばれるプロダクトをどうやってつくるのか?

キーとなるのは「直感的なUI」や「新しいUX」ではない。愛されるプロダクトかどうかの「MLP(ミニマム・ラバブル・プロダクト)」、最小限でLOVEなプロダクト。

「これじゃなきゃダメ」という言葉を、ユーザーからいかに引き出せるかが重要。

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MVP的にユーザーを知り・プロトタイプを作り・FBをもとに検証を繰り返す...のは大前提。試行錯誤のスピード・量がポイントとのこと。

 

機能の要・不要ではない。ラバブルかどうか。

ラバブルとは、ターゲットがプロダクトを使った時に、そのプロダクトのストーリーに惹かれること。 

「この機能は必要かどうか?」という議論ではなく、「これはターゲットにラバブルなのか?」という議論が必要。

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齋藤さん曰く、MVPを作るのは実際には難しい。作り手の思いや意図がベースにあるため、ユーザーがコア部分の体験をすることを邪魔する無駄な離脱ポイントを作ってしまいがち。
そうなるとコア機能の検証ができなくなってしまう。

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言葉を変えることの重要性

...とここまで話してきたけれど、実はこれは「MVP」等とやっていることは同じとのこと。


重要なのは「MVP」ではなく「MLP」に言葉を変えること。
そうすることで、前述した「ラバブルかどうか?」の議論が生まれ、より良いプロダクトを作り出すことができる。

 

 

最後に

お二人の話に共通しているのは「ストーリー」というキーワード。これは「何をするのか」では無くなぜするのか?大義は何なのか?インパクトはあるのか?ファンは増やせるのか?という観点だと解釈しています。

 

このことは、日々の業務だけでなく、個人のブランドが問われる昨今において、非常に重要なテーマだなと感じました。

 

おまけ

烏丸六角の事務所から京都リサーチパークまで、自転車シェアリングサービスの『PIPPA』を利用しました(初!)。

pippa.co.jp

会社の近くに「ポート」(駐輪スペース)があったのですが、最初に訪れたポート付近ではポケットwikiの電波が届かず(電波の届くところまで自転車を運ぼうとしたら警報音が!そりゃそーだ)、別のポートを探すことに。

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近くに別のポートを見つけ自転車を借りることができましたが、色々身の回りが便利になっているようで、実は「電波」と「電源」に支配されているなと感じました;涙