keita_shimabの日記

沖縄出身・京都在住Webディレクターのイベント参加レポートや読書メモなど(最近、御朱印多め)。

急成長企業カミナシに聞く「なぜインサイトを貯めるのか?」(ゲスト : たじー氏)【イベント参加レポート】

自社で取り組んでいる『デザイン思考』の学び直しの一環として、インサイト管理ツール「Centou」を提供する株式会社almaさん主催のこちらのイベントに参加しました(以下、イベントページより抜粋)。

 

生成AIによって、ますます「なにかをつくる」ハードルは下がってきました。そんな中で差がつくのは「何をつくるか?」を決める「顧客インサイトの扱い方」です。

顧客インサイトを、施策単位にとどめず、事業全体・組織全体で活用できるようにするために、最先端の企業は何を考え、どう取り組んでいるのでしょうか?

今回は、そんな 「事業と組織に効く、顧客インサイトの扱い方」 について、急成長スタートアップのカミナシで活躍する田島氏(たじー氏)をゲストにお呼びし、具体的にお聞きします。

 

 

全社員が現場に足を運び課題に触れる「現場ドリブン」

「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」をミッションにしているカミナシさん。所謂“ゲンバ仕事”領域のDXを推進している会社さんですが、「とにかく現場へ行って顧客と話す」ことを大切にされているそうです。

具体的には、年間約3,900回現場に足を運び(社員一人当たりの訪問数が年間約29回)、開発者も最低月1回は現場に赴き、顧客と対話しながら現場の課題感に触れているとのことでした。他の企業の方とこの話題になると、「この回数は異常ですね...」と言われるそうですが、特にtoB領域はここを泥臭くやることが肝だそうです。

なぜなら、toBプロダクトの提供価値は「業務課題の解決」が全てであり、その実現のためには業種・現場ごとに異なる業務フローの深い理解が大前提になるため。

また、toBプロダクトにおいて「慣れ」のアドバンテージがかなり強く、それを覆せるだけの価値が提供できなければ、(新しく導入したプロダクトを使うと)「仕事にならない」と判断されてしまうそうです。

 

私が以前支援させていただいていた企業様の話しですが、業務効率化を目的とした機能を企画/開発する際、現場の方々への広報の仕方や段取り(勉強会の開催、作業マニュアルの更新タイミングなど)にかなりを気を遣われていたことを思い出しました。
別で身近な例で考えてみると、例えば社内で使っている勤怠や承認システムについて、ちょっとした変更点でも「面倒だな...」と感じてしまう自分がいます。単純に新しいことをインプットするのが面倒ということではなく、他に優先したい業務があり、できるだけ社内タスクは省エネでしたい...みたいな自分なりの理屈はあるのですが、これがコア業務にかかわることであればなおのこと反発は大きくなるだろうなと想像します。

 

定量データは溜めるのに、定性データはなぜ溜めないのか?

いくつも発見や気付きがあったイベントでしたが、一番衝撃を受けたのがこの問いでした。

データ分析だと「まずは3か月分のデータを溜めよう」となるのが当然の感覚なのに、定性データについてはそれがない。

そうなってしまう理由について、定性データには“使えるようになるまでのしきい値”があり、そこに達する前に溜めることを諦めてしまう。
また別では、定性データ収集~そこからファクトを認識~インサイトを見つけ出すという流れなのですが、定性データ収集が最初から持っている仮説を強固にするための“証拠集め”になってしまい、インサイトの発見に至る前に本来の目的とは違う使われ方をしているという指摘もありました。

 

ちなみに、田島さんが考える「インサイト分析ができている!」となるまでのファクト(≒訂正データ、と理解)数は、600個~900個だそう。イベントの進行をされていたCentouの方曰く、1,000個を超えるファクトがあれば事業にインパクトのある方針や課題感がざっくり分かるそうです。

そうなると、これだけの数のファクトが溜まるまで待てるのか...が気になりますが、そこは「焦らず、溜めることに集中してほしい。閾値まで頑張れば見える景色が違ってくる。」とのことでした(これを実践する場合、まずは導入承認を得るプレゼン力や、社内外の巻き込み力、期待値調整力などいろいろなスキル必要になってきそうですね)。

 

イベントに参加して生まれる問い

私が所属する会社は、Webビジネスを展開している事業会社様のPdM支援をしており、社内ではユーザーファーストを前提とした議論や検討がなされ、別では改めて「デザイン思考」を学び直す機運が出てきている中で、今回のお話しは共感ポイントが多く、また考えさせられる内容でした。

私たちは、ユーザー視点を取り入れるため、できるだけ自分とは違う属性の人たちの体験や情報に触れる、ヒアリングなどで一次情報に触れる、実際にサービスが提供されている現地まで足を運びイチ利用者としてそのサービスを体験する...といったことでユーザー理解を深めていますが、カミナシさんの手法に新しい学びを得ることができました。
その上で、私の中で「ファクト認識の難しさをどう攻略しているんだろう?」「今回はイチプロダクトの話しだったけれど、例えば新規事業/新規サービスの場合も同じ手法なのだろうか?」など、いろいろと問いが生まれてきました。

社内のメンバーはもちろんですが、社外の方ともこういった話のディスカッションができたら楽しそうですね(ご興味ある方は、ぜひDMください)。

 

改めまして、カミナシの田島さん、主催のCentou(alma)さん、ありがとうございました!

 

ちなみに、田島さんのXで当日の資料が、Centouさんの公式Xでイベントレポートが公開されているので、そちらもぜひご覧ください!