keita_shimabの日記

京都在住Webディレクターのイベント参加メモや読書メモなど。

地味なチームビルディングの話し

これは「地味PM Advent Calendar 2022」2日目のエントリーです。

adventar.org

 

株式会社エイジェックスデジタルストラテジーズでWebディレクターをしている島袋です。未経験異業種(元・魚屋)でITの世界に飛び込み、今年で10年になりました。

 

地味PM meetupが好きすぎて、永嶋さんの「アドベントカレンダーやるかも」ツイートに反応したところ、「よかったら乗っかってください!」のご連絡いただき、ノリと勢いだけでエントリーしちゃいました。

 

PMではないものの(!)「地味」な取り組みはいくつかあって、その中でも最近特に私の中でマインドシェアを占めている「チームビルディング」について書いてみたいなと思います。


自己紹介

沖縄で生まれ育ち、大学まで地元で過ごしました。飛行機に乗って就活を始め、縁あって京都で働くことに。今もまだ住み続けています。

  • HR系広告代理店で法人営業:3年半くらい
  • 「西京漬」を扱う魚屋でネット販売~工場勤務やリアル店舗での接客やオペレーション業務も少し:6年半くらい
  • Webディレクター:現職10年くらい

今の会社はクライアントワークがメインで、担当しているのは会員数 ウン百万人の大規模サイト。戦略策定から設計・構築、リリース後の運用までやる会社です。

 

なんで「チームビルディング」?それはプロダクト開発の目的達成に地味に効く(と、個人的には思っている)から

クライアントのビジネスを推進するため我々はプロダクトを開発しているのですが、私はその成功に地味に効くのは「チームビルディング」なのでは?という仮説を持っています。
ディレクターやマネージャーという立場上、そのことにフォーカスしがちということもありそうですが、たぶん職種や職位が違っても同じことを考えそう。

というのも私の経験則だけですが、チームが良い状態にあるとだいたい期待値を超えた成果をメンバーが出してくれたり、クライアントも「チームの一員」として巻き込んでいかないと(入り込んでいかないと)結局どこかで何かが上手くいかなくなることがある気がしています。


とは言えやってることはとても地味。スポットライトがあたらないことばかり

大層なことを言ってそうですが、日々やってることはすごく地味。
例えば発言しやすい環境作り(場作り・空気感作り、ファシリ)、Slack等のツールの活用(気楽にやりたいことがポストできるwishlistチャンネルや、今更聞けないことやアホな質問大歓迎の質問箱チャンネル等)、あと炎上はしていないけれど“ボヤ”的な不満や不安をキャッチしたり、場合によってはガス抜きメインのMtgや対話の場の設計等。
別では、私自身がメンバー間のコミュニケーションの媒介になれるようオープンマインドなスタンスはたまに意識しています(まだまだ至らないところはあれど)。

▼ 経緯は忘れましたが、5月頃にコミュニケーション回りの整理をした自分用メモ。随時見直しをかけていて今とは違う形ですが、何となく取り組みののイメージが伝われば。


こういった取り組みは往々にして「数値化し辛い」「言語化し辛い」「成果がでるまで時間が必要」「成果が出ても共有し辛い」みたいなことが起こり、なかなかスポットライトがあたり辛く、まさに「地味」

 

少し話しは逸れますが、チームビルディングにおけるテキストコミュニケーションについては、地味に↓のような悩みもあって。

  • 意図が伝わるか?齟齬生まないか?失礼な表現になってないか?等が気になってSlackにポストするまで時間がかかる(しかも、立場上コミュニケーションのハブになることが多い)。
  • 開発業務だけでも大きなPJや複数並行している案件があり、返信をもらっても「何の話しだっけ?」「どこまで進んでる話しだっけ?」とスイッチコストがかかったり、想定外のレスにあたふたしたり。
  • これを繰り返していると、自分ボールの検討や作業に充てる時間がじゃぶじゃぶ減っていく。
  • タスクが捌けずじわじわと溜まり続ける。
  • 結果「いつも何してるんですか?」と、たまに聞かれてめげそうになる。

このあたりはどなたかアドバイスいただいたり、「あるよね~」とか言いいながら一緒にお酒でも飲んで分かち合いたい...

やりとりをすることで周囲に動いてもらいPJや案件全体が進んでいるのでそれは良いことなのですが、一方で個の力で企画を通しまくったり設計をバリバリ進めるディレクターと比較すると、地味...というか、あれ?私は何をしてるんだろ?と焦りに近い感情が沸くこともしばしば(汗)。


そもそもチームで何を成し得たいのか?それは「役割」「能力発揮」「感謝」「成果の実感」のループが回る環境をつくりたいから

この取り組みがクライアントのビジネス成功に寄与するからやっているのですが、もうちょっとチームにベクトルを向けて言いかえると、「個々人に役割があり、そこで個性・能力を発揮し、成果を出し、喜ばれ、そのことを役割を担った全員が実感できる」ようにしたくって、これはチームビルディング無しでは成し得ないと思っています。

上手くいったことがあったとしたら、それはひとり一人の可能性が発揮された結果なんだと、誰もが認識できる世界観が作れたらハッピーだし持続的に取り組めそうだし結果も出し続けることができそう。そんなことを自分のチームで実現したいと、割と本気で思っています。


そう思うようになったのは、PJから外されディレクター業務からも離れた経験から

こんな考えを持っているのは数年前の実体験が影響していそうです。

開発期間が数年、関わる人はウン十人という大規模なPJにアサインされたものの、個人としてのパフォーマンスが出せず、残念ながらPJから外されることに。
さらにそれに留まらず、ディレクター業務からも離れ、入社2年目・37歳の中年が新卒の方々と一緒に1~2か月かけて仕事の基礎の基礎から学び直す、みたいなことがありました。
当時は色々と思うこともありましたが、これをきっかけに改めて自分のレベルの低さが実感できたし、別では、そんな自分に対しても可能性を信じてくれる同僚や上長の存在があり、必要とされることの重要性を肌で感じることができました。

研修を終え現場に戻ると、ラッキーなことにそのPJに再アサインされ、何とかリリースまで漕ぎ着けることができました。多くの人と関わる経験を経て、改めて「ひとり一人が役割を果たす重要性」「仕事は一人でできるものじゃない」「でもこの心持ちを維持し続けるのは難しい(かもしれない)」ということを考えるようになりました。

 

今ではグループを任せてもらえる立場になりましたが、この出来事の恩送りだったり、このような体験(周囲の力を借りて大きなことを一先ずやりきってみる)をメンバーにもしてもらいたいと思っているのかもしれません。

 

まとめ

つい先日、別のGMから「僕らみたいな仕事で重要なのは、ひとり一人の経験や知識の蓄積と共有で(って、googleの本にも書いてたし)、やっぱ人に投資するの大事ですよね。当たり前のことだけど」という話を聞いて、ちょっとだけ背中を押された気分になったことを思い出しました。

 

「人」なんて不確実性が高い存在だし、その「人」を上手いことまとめるって、そもそもファンタジーなんじゃないか?とさえ思う自分がいます。

ただそのことと、ひとり一人が成果を実感できる環境作りは、たぶん直結しないし、諦めたくない自分がいるのも事実。

 

ひとつひとつは地味な取り組みですが、大切なことだし、自分自身やっていきたい(何なら意識せずついついやっちゃう)ことなので、愚直に腐らず健やかに「チームビルディング」に取り組んでいきたいなと思っています。