keita_shimabの日記

京都在住Webディレクターのイベント参加メモや読書メモなど。

ソーシャルイノベーションイベント「Beyod 3.0」参加レポート

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2018年12月、株式会社taliki主催のイベントに参加しました。

beyond3.peatix.com

U25社会起業家のピッチバトルや豪華ゲストのトークセッションなど、とても充実した内容で気付きも多く、“生き方のスタンス”のような気付きが個人的にはあったので、備忘的にブログに残したいと思います。

 


「Beyod 3.0」とは

https://www.talikibeyond.com/

今年で3回目の開催。ソーシャルイノベーションや起業がテーマのイベント。コンテンツは以下の通り。

 

トークセッション

テーマ①『テクノロジーと社会が出会うとき』

 

テーマ②『起業という生き方、どん底とてっぺん』

 

Pitch battle
U25社会起業家たちによるピッチバトル

 

交流パーティー

 

ピッチバトルは、主催のtalikiが進めている「タリキチプロジェクト」(※)の中でブラッシュアップしてきた事業計画を、投資家の前でプレゼンし、投資や協業や支援者を募るもの。

 

(※)タリキチプロジェクトとは、25歳以下の若手を対象に、2ヶ月かけて事業計画を創り上げていくプロジェクト。期間中は現役起業家のメンタリング等、様々なサポートが受けられる。

 

 

株式会社talikiとは

社会課題に取り組む人材輩出をミッションに、社会起業家のインキュベーションやオープンイノベーション事業を展開している会社です。

taliki.org

 

社会課題に興味を持ったり、生き辛さを感じている人が多い一方で、行動を起こす人のモチベーション維持や周囲の巻き込み方にハードルがある。そのハードルを下げたり、後押しを目的としているのがこのイベント。

 

 

トークセッション

 

トークセッション①『テクノロジーと社会が出会うとき』
スピーカーは塚本さん、牛尾さん。モデレーターは中村さん。

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左から、中村さん・牛尾さん・塚本さん

塚本さんは、高専卒業→日立入社→(技能オリンピック優勝)→東大進学→起業→世界をフィールドに複数の事業を展開。
牛尾さんは村田製作所に籍を置きながら、(当時その概念もなかった)オープンイノベーションを10年前から実践している、どちらも異色のバックグラウンドをお持ちの方々。

 

トークセッションはtaliki代表の中村さんの質問にお二人が応える形で進みます。

 

※以下、ちょっと時間が経ってて記憶が曖昧、かつ命綱のメモ帳も字が汚くて解読不可ゆえ、間違ったこと書いてるかも。悪しからず。

 

今のような活動をしているのは何故?

牛尾さんのきっかけはキャリアチェンジ。
エンジニアとして村田製作所に転職。当時の村田製作所は既存事業で堅調な売り上げを上げていた会社。
ただ牛尾さんは、現状の延長線上では成長戦略が描けないと感じ、社外に出て、とにかく“新しいこと”を始めようと奔走。


塚本さんは、技術とビジネスとの両方を考えている人が少ないと感じたから。

技術側の人と話しをしても、技術の話しばかりでそれをどうビジネスとして成立させるかを考えている人は少なかった。この両者をつなぐ存在が必要だと感じたから。

 

具体的に社会を変えるテクノロジーとは?

課題に対して親和性の高い技術(と、そうでない技術)がある。「VR」は注目されている技術だけれど、例えばLGBTとか高齢者のキャリア形成などはテーマが重過ぎる。

 

(一方で)相性は一旦置いといて「やってみていけそうだったら続ける(無理そうならやめる)」とは塚本さんのコメント。

例えば、緑内障に対してディープラーニングを活用するプロジェクトに取り組んでいるそえ(けれど、これは課題と技術の相性がトリガーで始まったわけではない)。

 

テクノロジーと非テクノロジー(例で言う「緑内障」)とのバランスがが大事で、どちらかがドライバーになると上手くいかない。

 

二人がこれから仕掛けてみたいことは?

牛尾さんは、テクノロジーを持ってる「人」と外部との誘発を促進したいとのこと。
まずは凄い人をたくさん見つけ、その人が社会課題に目を向けるような動きをとりたい。外の人と技術者とをマッチングする場作りに取り組んでいかれたいとのことでした。

 

塚本さんは、社会解決に繋がるようなテクノロジーを突き詰めることに注力されたい(と仰っていたと理解)。日常にある全てのことがテクノロジーと繋がっているので、課題ドリブンでやりたいことをやっていく。

 


トークセッション②『起業という生き方、どん底とてっぺん』

モデレーターは仲木さんで、家入さん、櫻本さん、大柴さんがスピーカー。

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左から、仲木さん、櫻本さん、大柴さん、家入さん

 

起業する際に大切にしてほしいことは?

家入さんは「原体験」。なぜそれをあなたがやるのか?どういう課題があって、どう解決したくて、それをすることで世界にどうインパクトを与えられるのか?
この問いは、「あなたは誰ですか?」という問いに繋がる。(投資家としては)「まずはあなたのことを教えてください」。

大柴さんからは、家入さんの原体験も大事としたうえで、スタンス面でのコメントがありました。最近よく「何々がしたくないから」という人が多いとのこと。これだとスケールしないし、起業家としては無理だろうと。

櫻本さんは「継続できるかどうか」。何があれば続けられるのか?長い起業家人生の中で迷うことは絶対にある。その中で、自分を奮い立たせられるものが何なのかを知っていると良い。
起業家は孤独でプレッシャーも強く、誰にも相談できない人が多い。大変なときに自分を上手くコントロールできることがすごく重要。

 

この「継続」というキーワードには家入さんからもリアクションがありました。

これまで見てきた起業家の中で途中でリタイアする人も多い。苦しい時期は誰にでも訪れる。その中で継続できる人は「原体験」を持っている人が多いと。

 

「自分が分からない」という人に向けて

※確かこの質問はtwitterで流れてきたものを仲木さんがキャッチアップされたものだったと記憶しています。

「自分探しは続いている」「答えは出ないのでは?」というお話しの中で、家入さんのコメントがとても興味深いものでした。
みんな自分の強みとか自分の内側から描こうとしている。そうではなく、周囲との関係性の中でぼんやり境界線を描くようなものなのではないかというお話し。

 

個人的にこれは新しい視点で、自分のことを考える時には、所謂自己分析的な手法を取りがち(自身との対話のような感じ)だけど、自分の言葉や思考で考えたところで、どこか袋小路感がある。
そんな時、他人から見た自分という視点があれば、新しい発見がありそうだなと感じました。

 

「起業家はこうあるべき」というイメージがあるかもしれないけれど、実はそうじゃない(そんな話しを)

例えば前出の「原体験」。これが無い人はどすればいいのか?

家入さん曰く、「原体験が大事というのは、僕(家入さん)が言っているだけ」。本当はそうじゃないかもしれない。
続けて櫻本さん。「全ての経験は原体験になり得る」。櫻本さんはオンラインカウンセリングの事業を手がけられていますが、これはご自身の睡眠障害の経験を原体験とされています。
ただ、これは今の事業をやると決めたからこのことを「原体験」として切り取っているだけとのこと。

 

そもそも「起業」とは何なのか?

家入さん「自分の人生にオーナーシップを持つということ」。
大柴さん「人と雇うこと」(独りでできないことをみんなで達成する)。
櫻本さん「自分の世界を自分で創ること」。

 

これまで経験した失敗は?

家入さん曰く、日々失敗しているので感覚が麻痺している(笑)。
ただ、失敗と定義するとそのことは失敗になってしまう。上手くいかなかったことも、ずっとリベンジしようと思っているので、それは失敗ではない(過去に上手くいかなかった事業も、今後かっこよく復活させたいと思っている)。

櫻本さんの回答は、「全ての失敗は書き換えられる」というものでした。過去に売り上げが上がらず苦しんだ時期もあったけれど、そのことが血肉になりノウハウが溜まっている。

 

これから先の話し。今後に期待することは?

大柴さん「大風呂を広げる人が少なくなった」。起業家はもっと夢を語ってほしい。
家入さん「気持ちよくだまされたい」。(大柴さんの話と近いかもですが)若い人の自信に押し切られたい。
櫻本さん「持続可能性を大切にしてほしい」。続けていれば役割が変わり成長するし、いつか大きくなれる。とのことでした。

 

 

ピッチバトル

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マネーの虎」ばりに投資家の前で熱弁

 

登壇者と事業内容概要は以下を参照ください。

taliki.org

ピッチバトルで優勝したのは、「VRカウンセリング」をプレゼンした高校生(!)
ご自身の身の回りで起きたことを原体験としていること、また、今の社会においてニーズが高そうなことが高評価だったのではと想像しています(※審査員のコメント失念...;汗)

 


最後に

このイベント参加以降、「自分の人生にオーナーシップを持つ」という意識が強くなりました。
当たり前のことではあるものの、組織に属するビジネスパーソンとして日々活動していく中で、やりたいこと・できること・組織から期待されていることのバランスの取り方に迷った(悩んだ)り、将来どう生きていくのかふと考え込んだり、将来に対して漠然と不安を感じたりする瞬間があります。

そんな時、オーナーシップさえあれば、比較的物事はシンプルに考えられるような気がしました。

また、そのうえで重要なのが「行動を起こす」こと。トークセッションに登壇された方、プレゼンされた方々に共通しているのは、(口だけではなく)行動しているこということ。

自分の人生にオーナーシップを持ち、その志向の基、行動を起こし、(継続できるかたちで)失敗を繰り返し、志向なり行動なり業務なり事業なりをアップデートしていく。

これを実践していくことが重要なであり、自分もそうありたいと思いました。