チームのことだけ、考えた。(読書メモ)

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ひとりでできる仕事なんて無い。

今まで経験した仕事は、チーム単位で動くケースがほとんど。
世の流れもそうなっていると聞いた(「昔はエースにぶら下がっていればよかったけれど、これからは集合知で戦う時代」by UX KANSAI浅野先生)

働くうえで「チーム」のことは無視できなさそう。


まだビジネスパーソンを辞めるつもりはないので、「チーム」について知るべく知人に教えてもらった本を読んだ。

サイボウズ社長・青野氏著『チームのことだけ、考えた。』

 

読後の感想は「『チーム』はあてがわれるものではなく、全員が『チーム』になるための努力をする必要がある」。

当たり前すぎる感想に見えるけれど、自分自身の中で「チーム」の意味が捉えられたことが、とても大きな収穫だった。

 

チームとは

のっけから本書ではなく、別からの引用(汗)。

ゼミの活動を効率的にするにはどうすればいい?──チーム運営に必要な基礎を学ぶ「チームワーク創造メソッド」 | ベストチーム・オブ・ザ・イヤー

 

グループというとジャニーズのイメージ。ジャニーさんによって集められたっていう受け身な感じというか。チームは目的意識を持って、自分の意志で集まった人たちというイメージがあります。

「確かに、スポーツは勝利することを目的として集まっているから、“サッカーグループ”とか“野球グループ”とは言いませんよね」と話し、「グループは、家族や地域社会といった『集団』のことを言いますが、『チーム』は、企業や部活動のような『目的を達成するための集団』のことを言います。」

目的あってのチームだと理解。

 

続いて本書から。
こちらには「チーム」の成立条件が定義されています。

チームには「共通のビジョン」「チームの構成員」「役割分担」「仕事の連携」の4要素が必要


前出のブログの「目的」もそうだけど、意外と「ビジョン」などの大前提が抜けがちという印象。

 

というのも、社内では配属によって、社外では偶然居合わせた人たちで「チーム」が組まれる。そのため、大前提である「目的」や「ビジョン」がなくてもチームっぽく立ち居振る舞える(でも、実はこの時点では「チーム」ではなく、ただの人の集まり)。

 

目指すものをの共通認識を持つ。まずはそれがチームビルディングの第一歩か。

 

チームワークとは

チームでワークすること。つまり「仲間と働くこと」であり、それには良し悪しがある。

チームワークの良し悪しを決めるのは、「効果」「効率」「満足」「学習」の4要素であること。

それまで私は、チームワークが良い状態とは、単純に「成果物が多い」状態だと考えていた。しかし、がむしゃらに働いて成果を上げるだけの非効率なチームが、果たしてチームワークが良いと言えるのか。メンバーの満足度が低くて解散寸前なのにチームワークが良いと言えるのか。学びが少なく、メンバーの成長につながっていないのに、チームワークが良いといえるのか。

 

また、前出のブログによると、

チームワークとは、チームのメンバーが目標(理想)を達成するために役割を分担し協働すること。

 

(一般的に)会社では自分の意志ではなく配属によってチームに属することが多い。
それなのに、成果の上がるチームとそうでないチームが存在する。
メンバーの能力云々という観点はあるものの、以下のように同じ人でもチームが変わるとダメになるという調査結果や、チームワークには『心理的安全性』が必要だという話しもある。

gendai.ismedia.jp

 

ありきたりの表現だけど、メンバー全員が同じ方向を向き、互いににホスピタリティを持ち合いながら、一人ひとりが活き活きとしているチームこそが、チームワークを良くできるのだろう。

 

大切なのは「多様性」

サイボウズでは「100人100通り」の働き方ができる。一人ひとりの個性は違うのだから、それを受け入れる「多様性」が重要で、それを大切にすることでチームワークが上がる。
社員一人ひとりにすでに「多様性」が存在しているので、それを受け入れるのが先決だと。

今、目の前にいる従業員がそもそも一人ひとりまったく違う存在だと考え、彼らの個性を制限している障壁を取り除いていく。すでに社員は多様であり、それを一律的な規則で働かせてるのをやめるだけである。

以前は受け入れられなかった人を採用し、活躍の場所を作れるようになる。言葉としては、ダイバーシティよりもインクルージョン(包括性、一体性)に近い。個性を受け入れる力だ。

 

多様性ある組織に必要な2つのこと

ここまで読んでると、チームワークを良くするための取り組みは組織側だけのように感じてしますが、そうではない。

個々人でも大切にすべき2つのことがある。

 

「公明正大」
「嘘をつかない」ということ。自分とは違う個性をもった人と協業するのだけら、せめて正直に。嘘つかれるとややこしい。
似た言葉に「誠実」があるが、そうではない。「誠実」は人にとって捉え方が異なり、曖昧さが残る。一方で「嘘をやめよう」は捉え方のブレは少なく、全員で共通認識を持てる。

 

「自立」
自分で選択し、自分で責任を取る覚悟を持つ。言い換えると、「人のせいにしない」。
自分の理想をきちんと言語化し、周囲に伝える。自立を実現するためには「質問責任」と「説明責任」を果たす必要がある。

質問責任とは、自分が気になったことを質問する責任であり、自分の理想を伝える責任であり、その結果、自分の理想が叶わなかったとしても受け入れる責任である。
説明責任とは、自分が行った意思決定について説明する責任であり、他のメンバーからの質問に応える責任である。

 

冒頭で書いたとおり、チームは会社や上司があてがってくれるものではない。参加しているメンバー一人ひとりも、当然役割を担っている。


最後に(「人間は理想に向かって行動する」)

チームやチームワークから書きたかったので後回しにしましたが、本では最初の方に書かれている、青野氏がたどり着いたたった一つの経営の基本法則について。

「理想」とは、その人が望んでいる未来だ。すべての人は、自分が望んでいる未来に向かって行動する。

なぜ社員が辞めるのか。それは、辞めることで理想を実現したいからだ。

その理想を聞き出し、実現するための課題を考え、それを遂行していけばいい。課題を遂行しても実現できないのであれば、あきらめてもらうしかない。不満を口にする社員に対し、感情的に対応する必要はまったくない。

この法則に気付いたおかげで、サイボウズに一体感がない原因も理解できるようになった。サイボウズには共通の理想がないのだ。従業員がそれぞれバラバラの理想を持ち、バラバラに活動しているのだ。

 

このことに気付き、青野氏は全社共通の理想を決めることから始めます。

本書はサイボウズ創業当初から現在の遍歴の中で、どうやって今の組織を作り上げてきたかをトレースするもの。大きくは、以下の流れで会社を立ち上げ(建て直し)ます。

  1. 組織のあり方定義
  2. 個人のあり方定義
  3. 物事の進め方、議論・検討の仕方のフレームワーク決め
  4. 意思決定フローの整備
  5. 個々人のモチベーションアップメソッドの確立
  6. 評価制度の整備

 

個人的な発見は、「5.」のモチベーションの課題があった場合、解決策として思いつくのは「6.」の評価制度。でも、そうではなくて、目を向けるのはもっと上位のことだということ(「1.」や「2.」まで遡って、組織と個人の理想時点でミスマッチが起きている場合、それ以降のことに着手しても、根本的な解決には至らない)。

前述のチームの成立条件を見ても確かにそうだなと。

 

自分が属している人の集まりは「チーム」になれているのか。

また、自分自身が「チーム」を作るアプローチをしているのか。考えさせられる本でした。