UX KANSAI #03 ビジネスモデルキャンバス(2017.8.5)
8/ 5(土)は淀川花火大会。ではなく UX KANSAIへ。
テーマは『ビジネスインタビュー』。
セミナーの内容は、実際に企業の方にインタビューをして、ビジネスモデルキャンバスとCACVを作成するというもの。
ビジネスインタビューは、企業自身が言語化できていないその企業のブランド(※コア・コンピタンスと理解)を聞き出すもの。ユーザーインタビューよりも難しい。一方で、これさえ出来れば後は楽になる(そうです)。
今回のセミナーを受け、個人のこと・自分が属する組織のこと(在り方?)をちゃんと考えないとなと思いました。
ビジネスインタビューとは?
世の中が変わっている。
モノやサービスのコモディティ化が進み、これまでと同じアプローチでは市場に受け入れられない。高機能あるいは美しいモノを作れば売れる時代は終わり、顧客個々のコンテクストに沿ったモノのしか売れない。
また、このあたりのことはUX KANSAI受講者の方のブログで分かりやすくまとめられていたので、引用させていただきます。
単にモノからコトへと焦点を移すだけではなく、多様性と細分化が激しくなり、個別対応が出来ないレベルに達したユーザーニーズを炙り出し、未だ顕在化していない顧客が求める体験を提案、提供する。というのはこれまでの経験則の積み重ねからの発案では絶対に出来ません。
サービスを考えるうえで、まずは起点となる「ブランド・ビジネスモデル・企業の思い」を見つけ出すのが、ビジネスインタビュー。
自社のことを自分の口で喋ってもらうのだから、比較的簡単そうですが実はこれがすごく難しい。
なぜビジネスインタビューは難しいのか?
大前提として、人は欲しいものやニーズ(ひいては「こう在りたい」ということも)を言語化できない。自身の経験則やある種の思い込みの延長線上には、新たな発見は見出せない。
なので、インタビューする側は、どこかで企業のこと否定しないといけない。「そうじゃないですよ」と。これがとても「おっかない」。
「Aがしたいって仰いますが、御社のブランドはAじゃないですよ。周囲からはBだって思われているのでBなのでは?。で、Bに則したユーザーは...」というプロセスが必要。企業の言ったことや希望を否定する。これがおっかないのでついつい尻込みしちゃうしと。なるほどー。
そもそもビジネスって?
ビジネスとはマッチング。
「高齢者×ハンバーガー」や「若者×和菓子」はダメだけど、「高齢者×和菓子」「若者×ハンバーガー」だと成立する。決してハンバーガーや和菓子が悪いわけではない。
このマッチングの精度を高めることが重要であると。
この話しの流れで浅野先生の仰っていたことが印象的でした。
それは「引き出し」と「収まり」という話し。
例えばデザインを提案する時、100案くらい提案するそう。そのうち、決まるのは当然 1つ。この100案の提案が「引き出し」で、決まった 1つの案が「収まり」。
収まらなかった 99個の「引き出し」は、それらが悪いのではなく収まらなかっただけ。なので、それらはお蔵入りではなく何かしらのかたちで別の提案に活かされるそう。大事なのは、「収まり」を見つけられるかであって、たくさんの「引き出し」を持つことではない。
前述の例で言うと、ハンバーガーや和菓子という引き出しの数ではなく、ハンバーガーは若者という収まりを上手く見つけることが大事。
※セミナー終了後(数日経って)ふと思ったのが、「収まり」が大事というのはそうなのらどうけど、一方で顧客に「引き出し」を提示するプロセスも一定の意味を持つのでは?と思ったこと。顧客の納得感というか、意思決定支援的な意味(気分の醸成的な)で必要プロセスがあるのかもなーとか。
ビジネスを考えるうえで大切な視点
大きく2点。サービスを提供する企業側のビジネス視点と、ユーザー視点。
後者は UXと言う言葉もあってイメージしやすく、誰が、いつ、どこで、どのような体験をするのか?顧客の利用シーンをちゃんと掴みましょうというもの(事例としてオーディオのお話しが。へーそうなんだぁと参考になるおもしろい事例でした)。
一方で、前者は意外と見落とし?がちで、「何をもって社会に貢献し、尊敬される企業となるのか?」。企業のブランドや市場での位置付けをどうするのかというもの。
確かに、この視点がないと企業として生き残れないのは明白。
とか言いながら、自分の属する組織がこのことについて何と言っているのか?どうしようとしているのか?知っている人は少ないのではないでしょうか。(私も自分の会社の目指すところを言葉としては記憶しているのですが、どれだけ理解しているのか多分に怪しい...)
ビジネスモデルを考える
まずは企業のブランド(ブランド・ビジネスモデル・思い)を確認しする。次にユーザーを見つける。そして社会動向も俯瞰したうえで、サービスを考える。
今回セミナーを見学して、難しいなと感じたのか以下3点(他にもいっぱいあるけど強いてあげるなら)
- 自社ブランドの言語化が難しいこと(※前述)
- ユーザーの定義(誰がユーザーなのか)
- 事業性(それは儲かるのか)
よく抜けがちなのが3つめ。本当にそれは儲かるのか?という視点(利益を出さねばその先にあるのは死あるのみ)。
適当な売上シミュレーションを立てるにも、そこには社会動向の把握と市場感の推測、具体的なコスト感やサービスを世に浸透させるまでのプランニングなど、様々な視点必要。
これが本当に難しく、考えようとしても思考停止してしまうシマツ。
私のお給料は、一部のこういった難しいことを考えていらっしゃる方々から頂いているのだなぁとゲンナリ。
2つめは、顧客>価値提案>強み の視点が重要で、「自分たちの強みはAだから、Aを提供するんだ!」ではなく、Aを求めるユーザーがいるか?価値提供ができるか?が重要。
これも難しいよなぁ。自分たちの強みがあるのならばそれを武器にするべき(するしかない)なのだけれど、これが一方的な押し付けになった瞬間デスマーチの始まり。
自分たちの強みを持ちつつ、それを時代に合わせてピボットさせたりブリッジしたりすることが大事なのでしょうね。きっと。
1つめは前述の通り(そういや、以前セミナーで「困っている人に『何で困っているの?』って聞くのは愚問だ」という例え話を聞いて、激しく共感したっけな)。
ビジネスモデルキャンバスを書いてみる(ぼっちワーク)
ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネス戦略を紙一枚に整理できるフレームワーク。
ferretさんのブログが分かりやすいです。参考まで。
アウトプットあShareWis PRESS(シェアウィズ プレス)さんの「iPod発売当初のビジネスモデルキャンバス」がイメージしやすいです。
今年のUX KANSAIセミナーは見学者として参加しているのですが、貧乏性?な私は、やらなきゃ損々とばかりに会場の隅っこでひとりワークをしていました。
現状のBMCと将来(3年後)のBMCを作成。現状のBMCは運営の方々のものを拝借して(汗)、将来のBMCを作成しました。
うん。イマイチ。なぜこの企業がやる必要があるのか?そもそもこれで尊敬される企業になれるのか?ニーズはあるのか?などツッコミところは満載。
ですが、いったん外化することが重要なので(←言い訳)。
CVCAを書いてみる(ぼっちワーク)
CVCAとはCustomer Value Chain Analysisの略。顧客価値連鎖分析。どのような価値が誰に提供され、その対価がどのようにやりとりされるのかを見える化する手法。
上記BMCをもとに書いたのがこれ。
お金の流れが不適切のようにも見えるし、やっぱ何か成り立っていない感じが。。。
2回目のセミナーを終えて
去年は受講者として、今年は見学者として参加したのですが、いくつか思ったことがありました。
チームビルディングの難しさ
去年はチームで、今年は個人でワークをしたのですが、チームでワークをすることの難しさを思い出したりしていました。
今年は個人と言うこともあり、合意形成のプロセスなく黙々と(って実際はダベったりで注意散漫でしたが(汗))作業ができた点は楽だった。
個人の視点の限界
一方で、やっぱり個人だと視点も少なく、出てくるアイデアも何となくポテンシャルが無いものばかりのように感じました。
また、そもそも個人の作業って、今の時流(チームで事を成すことが求められる時代)に乗ってないのでイマイチだよな、とか。
とっかかりは世の中の動き
前出の2点とレイヤーが全く違うのですが、今回の課題が「(インタビューした企業の)3年後のビジネスを考える」というものでした。
去年なら闇雲に適当なアイデアを出して、おもしろそうなものに飛びついたのですが、今回は3年後の社会ってどうなっているのだろう?から考えはじめました。
これで考えるとっかかりがつかめたり、アイデアの必然性も考えられるようになりました。
企画するうえで当然っちゃあ当然ですが、いざワークとなると、この「当然のこと」をすっ飛ばしてしまうんですよね(なんでだろう)
運営者の“熱”
これまた全然レイヤーが違う話しなのですが、今回は懇親会も参加させていただきました。懇親会後、図々しくも運営の方々についていき少しだけ一緒にいさせていただいたのですが、酒を飲んでもコミュニティの話し。アテに箸を付けてもコミュ二ティの話しで、情熱というか、想いがすごいなと(こういうことに触れると、何故かモチベーションが上がったりします。何でだろ)。
酒の肴はアンケート!?
この学びをどう活かすのか?
今回得たことを、自分の属する会社に当てはめたり、ちょっと応用して自分自身のこと(キャリアプラン)に当てはめたりしてみると、色々気付きや発見が多そうです。
というか、少なくとも自分の会社に対してはやっておかないとなーとか思ったり、思わなかったり。