keita_shimabの日記

京都在住Webディレクターのイベント参加メモや読書メモなど。

Design Sprint~プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド~(読書メモ②:フェーズ0「計画」)

f:id:keita_shimab:20170109053521j:plain

『Design Sprint~プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド~』読書メモ

 

読書メモ①はこちら↓

keita-shimab.hatenablog.com

上記で記載していますが、デザインスプリントの実施にあたっては、5つのフェーズがあると。

※まずは準備、必要な人とモノを集める。

  • 理解:背景やユーザーインサイト(本音)を確認する
  • 発散:何が可能なのか、ブレインストーミングをする
  • 決定:解決策を評価して1つ選ぶ
  • プロトタイプ:最小限の機能で実行可能なコンセプトモックを作る(MVPの作成)
  • テスト:ユーザーにとって何が効果的なのかを観察する

上記終了後、デザインスプリントをもう一度行う。
※各フェーズには1日必要だが、状況に合わせて「デザインスタジオ」といった期間を圧縮した方法での実施も可。

 

5つのフェーズのうち、今回は赤字のフェーズ0 “準備(計画)” について。

 

デザインスプリントの前:計画

ばっくりとは、作業のスコープを決め、日程票を作成し、参加者を選定する。また、必要な備品(スプリントキット)も用意する。
事前準備は超重要。全ての参加者に、日程表と成果物のイメージを知らせるべき(※但し、過度な計画は不適切。例えば、各機能の網羅的なリストなど、先入観を与えるものはNG)。

 

具体的な準備内容は、以下の通り。

  • 作業のスコープについての合意(狭すぎず、広すぎず)
  • ファシリテーターとメンバー選出(様々な視点が混ざり合うように)
  • 各日のスケジュール決定&周知(デザインスプリントで求められていることを理解してもらう)
  • 会場と備品の手配
  • 予備知識となる資料の用意
  • 可能なら、予め「テスト」フェーズの日時を決めてユーザーを招待しておく

 

ポストイットはこう剥がすのだよ

上記はかなり端折ってますが、例えば「ポストイットは下から剥がすと反りが発生するので、粘着部分の横から剥がしましょう」という具体的な内容まで記載されている。「スナック菓子を用意しましょう」とかも。

 

そこまで必要かぁ?と感じる箇所もあったけれど、多くの人々をデザイン工程に取り込むためにはホスピタリティ溢れる細かな事前準備が必要なんだ。

 

以下、本編とはあまり関係のないメモ

 

ホスピタリティの発揮

ホスピタリティの出し惜しみってあるよな。。。あまり好きじゃない人とかだと「(これやった方がいいけど)まぁ、いいか」ってなりがち。何か自分が損した気分になるんでそうしがちだけれど、長期的にみるとそれは自分が損しているのだろうな。。

 

ミーティングあるある

「事前分析を行う」というページからデザインスプリントに限らず大切そうなことがあったので、紹介(これってミーティングあるあるだよなぁと)。

 

  • 問題:参加者がコンピューターばかり使っている。
  • 対策:オンラインお資料を参照する場合を除いて、出剤たるデバイスの使用禁止ルールを定めます。~(中略)~スマートフォンの電波が届かなと言われているタヒチでデザインスプリントを行うのがよいかもしれません。

 

  • 問題:重要な決定を行おうという時に主要なステークホルダーがミーティングから抜け出し、戻ってきた後でその決定を覆す
  • 対策:関係者のスケジュールを確認し、時間を確保しておきます

 

  • 問題:デザインスプリントの途中でエグゼクティブが現われ、計画を狂わせる
  • 対策:デザインスプリントの初期段階から彼らを参加させるか、少なくとも方向性の決定には関与してもらいます

 

  • 問題:参加者の作業が長引く
  • 対策:期限をしっかり定め、タイマーを使います

Design Sprint~プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド~(読書メモ①)+α

 

f:id:keita_shimab:20170108182915p:plain

予約購入していたけれど、年が明けてやっとダンボールを開封。ぼちぼち読み始め。

『Design Sprint~プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド~』

途中だけど、忘れないようにメモ。

 

デザインスプリントとは?

イノベーションを起こす新しい技能、フレームワーク(ルールではない。プロジェクトごとにカスタムする必要がある5)。
イノベーションとは新しいビジネスモデルを作り出すこと。
もともとはスタートアップ企業のために作られたが、大企業にも有用。

 

ポイント
デザインスプリントのポイントは、多くの人々をデザインの工程に取り込む(開発のプロセスに参加させることで積極的関与を促す)。

プロダクトを生み出すうえで発生する失敗。その失敗を防ぐことを目的にはしていない。
いち早く失敗を見つけ、いち早く次の手を打つことを志向する。

 

デザインスプリントがもたらす3つの価値

  1. プロダクトのコンセプトに関するチーム内での意思統一
  2. 消費される人や予算と遺憾の節減
  3. 顧客の視点からアイデアを検証できる

 

デザインスプリントを実施して得られる成果物

  • 方針の定義
  • ユーザーの定義
  • ユーザージャーニー(ユーザーとの全ての接点)
  • プロトタイプ

 プロジェクトを新しく始める場合、チームの参加者はどのように作業を開始し、どのように進めていくべきかを知る必要がある。それを知るために必要な成果物が得られる。

 

5つのフェーズ

デザインスプリントの実施にあたっては、5つのフェーズがある。


※まずは準備、必要な人とモノを集める。

  1. 理解:背景やユーザーインサイト(本音)を確認する
  2. 発散:何が可能なのか、ブレインストーミングをする
  3. 決定:解決策を評価して1つ選ぶ
  4. プロトタイプ:最小限の機能で実行可能なコンセプトモックを作る(MVPの作成)
  5. テスト:ユーザーにとって何が効果的なのかを観察する

上記終了後、デザインスプリントをもう一度行う。
※各フェーズには1日必要だが、状況に合わせて「デザインスタジオ」といった期間を圧縮した方法での実施も可。

 


まだ導入部分しか読めていないけれど、チームでプロジェクトを推し進めるうえで有用なエッセンスが盛り込まれているようで、これから読み進めていくのが楽しみ。
上記に記載した以外で気になったのが「期限」について書かれていたこと。

 

我々の脳はクリエイティブなフロー状態へと移行するために、環境あるいは自身の内部からの刺激を必要としています。

 

~(中略)~

 

脳は可能な限り長期間活動できるようにカロリー消費を制限します。一方、必要な場合には蓄積されているエネルギーを一気に消費するような活動も可能です。この「必要な場合」は、作業に期限を設けることによって人工的に生成できます。

 

~(中略)~

 

ほんとうに必要なのはリラックスではなく、意図的に引き起こされた緊張です。デザインスプリントとは。創造性を損なわない程度に柔軟で、かつチームに集中と興奮をもたらすためのフレームワーク

 

 

私の所属する会社では「半分半分の法則」といって“10日先に期日設定されているものであれば、5日前にいったん完成させる(手直しを見越して半分の期日でいったん仕上げる)”というのがあるのだけれど、同じことだなぁと。

また、“本能にいかに逆らうかがポイント”で一番有効なのが“スケジュールを厳しめに設定すること”とも。

 

う~ん。。。言うは易く行うは難しですが、その重要性を再認識。2017年、どこまで実践できるか。

 

※参考:「デザイン」って?

「デザイン」「デザイン」って当たり前のように書いてきたけど、当たり前のように言葉を使っている時は、だいたい分かった気になった時なので、あらためて言葉の意味を振り返り。

スティーブ・ジョブズ曰く、「デザインはどう機能するか」と。

Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.
デザインとは、単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。どう機能するかだ。

↓こちらの記事より引用。他にもデザインに関する情報が整理されてて読みやすい。

wp-e.org

 

あと、UX KANSAIで学んだことは「アクティビティシナリオからインタラクションシナリオへの書き換えである」。ユーザーの手順・作業を機能に書き換えること。
上記と近い解釈ですね。

keita-shimab.hatenablog.com

 

もう少し別の視点も知りたいなと思い軽く検索してみると、分かりやすく紹介されている記事を発見。

l-orem.com

記事では、「デザインはアートの1つの形態である」という混乱が生まれているので、それを整理すると言う視点で書かれた記事。

その中でも上手く表現されているなぁと感じたのが、以下。

アートは解釈
デザインは合意

 

アートは探求
デザインは観察と繰り返し

 

アートにはゴールがない
デザインには明確なゴールがある

 

そして最後に決めての言葉。

アートはアーティストにとって創作
デザインはエンドユーザーのために作る

 

なるほどな~と。これにビジネスの要素を加えたのが UXだな、と。

最後は、ちょろっと横道に逸れましたが、点の学びが線になりつつあるのを感じる。
自分の「中身」に重点を置く2017年。学びは尽きませぬ。

イノベーションに何が必要か(記事メモ)

f:id:keita_shimab:20170107110248j:plain

 

年末年始、帰省につき新聞読めず。帰省から戻り溜まった新聞を広げると、「AI」や「IoT」、「協争」(あと「花嫁会」)など興味を惹く記事がいくつかあり、その中でも特に「イノベーションに何が必要か」という紙面に目が留まる。

www.nikkei.com

 

イノベーションを起こす組織

記事によると、

そもそもイノベーションが生まれる第一歩は「新しいアイデア・知を生み出す」ことだ。その根本原理の一つは、「既存知と別の既存知の、新しい組み合わせ」にある。

イノベーションを起こしたいのならば、その第一歩は「自分から離れた、遠くの知を幅広く探し、それを今自分が持っている知と新しく組み合わせる」ことになる。これを専門用語で「Exploration(知の探索)」と呼ぶ。

日本で今、イノベーションが起きない理由は明らかだ。「知の探索」が足りないからだ。

知の探索は、本質的に失敗がつきものだ。

 

で、日本企業はこの「失敗」を認めないので問題だと。

この問題を乗り越えるポイントも記載されていて、大きく 2つあるそうな。

第1に評価制度を見直すことだ。一般に社内の評価は「成功か失敗か」で判断されるので、人は評価対象となった瞬間に失敗を恐れ、知の探索をしなくなる。

第2に企業が明確な長期ビジョンを持ち、リーダーがそれを何度も語って、社員への浸透を徹底させることだ。長期ビジョンを持てば、そのビジョンにかなう知の探索型の投資が可能になる。

 

ふむふむ。なるほど。

強烈な使命感、不屈の闘志をもったスーパーイノベーターが推し進めるのではなく、組織としての取り組みが必要なのか。

 

「失敗してもいいよ」と言ってしまうさくらさんとかは、イノベーションが起きやすいのかなと想像。

jp.techcrunch.com

 

個人でできることは?

組織のあり方は、そうなのか、と。一方で個人としてはどうすればいいのか?色々あるけれど、初歩の初歩としては、

  1. ソト(主に社外)と接すべく行動する
  2. ソト(主に社外)を受け入れる器量
  3. ソト(主に社外)に対して存在感や影響力を持つ(また持てるようになるための日々の鍛錬)

みたいな感じでしょうか。

 

社会人になると、行動・交流範囲はどんどん限定的になる。結果、ソトに出ることが億劫になったり臆病になったりする。

ので、あまり頭でっかちで考えず、とりあえずソトに出るのが大切なのかも。

 

僕は武者修行のつもりで、できるだけソトに出ています。が、残念ながらイノベーションを体現したことはないのだけれど(涙)、記事に書かれていたことは感覚的に理解できたりする。ので、まぁ、それだけでも収穫かな。

 

とは言えそんなぼんやりした収穫だけってのも寂しいので、今年はより具体的な収穫が得られるようにしたいなぁ。


何となくは、上記 3つめに書いたようなことに力を入ることかと。

発信が強くなれば FBも強くなるだろうから。

 

ソトにホイホイ出ていくだけでなく、収穫を得るためにまずは自分の「中身」(意志だったり、知識だったり)をまずは重点的に強化。そしてソトと濃い接点を持つ。そうすればイノベーションに近づけるかも。。。って、別に会社から求められてもいないけど(笑)

超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール(読書メモ)

f:id:keita_shimab:20161229151252j:plain

ひょんなことから空港ロビーで一泊することに。

呑んだくれるかと思いきや、意外に呑むのも飽きて読書。

 

まだ途中だけど、『超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール』の読書メモ。
解釈無し。後で読み返し用の箇条書きメモ。

 

超訳」の通り、著者が中国古典を噛み砕いて解説。「例えば取引先と~」というように、具体的なビジネスの場面で解説するなど、読みやすい内容だと感じました(※amazonのレビューでは「意訳だ」「内容が跳躍」ってコメントもありますが)

 

「強者になるには一定の法則がある」

 

なんと。2017年、強者を目指しますかね。

 

読んだところまでの概要は「計画を立てて、準備して、シミュレーションも怠らなければだいたい勝てるよ」と。

 

勝利のシミュレーション。5つの視点。

勝利のシミュレーションには 5つの視点が大切(これを「五事」と言う)。

 

①「道」

10年後・20年後・30年後の自分をリアルにイメージする。
これができると、思いと行動がひとつになる。

 

②「天」

時代性。「いつ」という視点。例えば、「社長になる」ではなく「2050年に社長になる」。
そうすると、その時の時代の気分感やニーズに考えが及び、それに応えるための計画が練れる。

 

③「地」

自分が活躍するフィールド。自分に向いている分野。競争のないオンリーワン。世界的な広がりが展望できる分野。自分の資質・能力が活かせる分野。

 

④「将」

必須能力。目標を達成するために必要不可欠な能力を明確にして、研鑽に励む。

 

⑤「法」

自分自身を厳しく律すること(社会的ルールを守ることではない)。

 

ライバルを作ろう。そして7つの視点で徹底比較。

上記のシミュレーションに加えて、ゴールを明確に一直線に突っ走るため、目標とする人物・ライバルを設定する。そして、そのライバルと自分の能力・実力を徹底的に比較する。
比較ポイントは以下の7つ(これを「七計」と言う)。

 

①「有道」

やろうとしていることは、世のため人のために尽くそうという志(=普遍性のある志)があるか否か。

 

②「有能」

互いの能力・実力を細かく項目分けして比較する。野球選手で言うなら打力・投球力・走力・選球眼・守備力、など。

 

③「天地」

どちらが時代の気分感に沿った仕事をしているか。

 

④「法令」

読んで字の如く、コンプライアンスのこと。

 

⑤「強き」

勝負強さ。これは「運」のことではない。日頃から勝負におけるあらゆる場面を想定し、常に柔軟に冷静に対応できるよう精神を鍛え上げて身に付けられる「気持ちの強さ」。

 

⑥「練れたる」

どちらが訓練を積んでいるか。反復練習によって必要な力を「体で覚える」感じ。

 

⑦「賞罰」

仕事に対する評価の比較。例えば、報酬とかポジション。周囲の評価など(結局のところ「これがあるからがんばれる」とのこと)。

 

心して、2017年を迎えよう。

UX KANSAI 番外編?~リフレーミングしてみる会~(※ブログの内容はリフレーミングではございません。悪しからず)

f:id:keita_shimab:20161222222809j:plain


UXを体系的に学ぶワークショップ『UX KANSAI』。


プライベートで月に1回参加しているのだけれど、本日は番外編(課外授業?補習?)。

 

1年かけて一つのビジネスサービスを設計するのが、本ワークショップのゴール。

2週間前の回でアイデア見える化したところ「どれも正攻法」と一蹴されるシマツ。


この状況を見かねた運営の方々が「リフレーミングしてみる会」と称して、補習会を設定いただきました。

 

同じチームのメンバーが私合わせて3名集まるという有難き状況。なので(なので?)、内容はリフレーミングというよりは、いまのアイデアベースで色々な視点を出し合うかたちとなりました。

感じたことは3点(※リフレーミングのことではございません。悪しからず)

 

面と向かって話す大切さ

大阪、京都、神戸と全員住んでいる場所がバラバラなので、セミナー以外で直接MTGをするのは難しい。
ので、休日や平日夜などにメッセンジャーで議論や共有をするのだけれど、今日面と向かって話してみて「会って話すって大切だな」と感じました。

一般的に、リモートワークやテレワークなど、仕事をするうえで同じ場所にいる必要はない風潮はあるものの、それも使いよう棚と感じました。

面と向かって喋らないと、なんとなく自分の先入観を取っ払わず話しを聞いてしまうような印象(私はですが)。
なので、拡散は対面。収束は非対面。みたいな使い分けをすれば、いろいろスムーズなのかなと感じた次第。

 

2名以上で事を成すなら、避けては通れない「摺り合わせ」

個人的には「摺り合わせ」って嫌い。その時間は何も生み出してないようで、返せよって感じ。
でも、今日のMTGは摺り合わせをしたことで、次の議論に移れるような感覚を得た。う~ん。摺り合わせ。大事大事。

 

提供される価値から考えてみる

今回「しまなみ海道」でどのようなサービスが展開できるのか?を考えているのだけれど、テーマは「旅」としたうえで、とっかかりとして『提供される価値』から考えてみようとなりました(他にも手法はあるのだけれど)。他のチームで出ていたことを参考に、「テーマパークで提供される価値」を考え「それをしまなみで提供するならどんなサービス?」を展開。

結論はタイムオーバーで成果物無し。ただ、議論の中で新しい発見や、進め方については「一方で今のしまなみで提供される価値を考えなきゃね」という発見も。チームで物事を考えるって、発見があっていいですね。

 

f:id:keita_shimab:20161222222359j:plain

、、と。PCの電池が切れそうなので。今日はここまで。次のセミナーは1月。それまでまとめられるかな~。

 

GRIT「やり抜く力」~人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける~(読書メモ3 # やっと全部読んだ)

f:id:keita_shimab:20161219151655p:plain

GRIT(グリット)とは

人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」。それが『GRIT(やり抜く力)』。
成功者の共通点は「才能」ではなく「グリット」である。
「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のこと。

 

本読むスピード遅く、一気には読めない量なので、大きく3回くらいに分けて読み&メモ。

 1回めは「グリット」の必要性や有効性
 2回めは「グリット」を自分自身の内側から伸ばす方法(一部残り
 3回めは「グリット」を外側から伸ばす方法(←イマココ)


「優しい教育」と「厳しい教育」

「やり抜く力を育てるにはどうすればいいのか?」人それぞれ意見はあるが、大きく2通りの考え方がある。「優しく接する」のか「厳しく接する」のか。

書曰く、(まだまだ研究サンプルが必要だが、いったんの結論を出すなら)、これは二者択一ではない。どちらか一方しか選択できないようなものではない。

これを「子育て」を例に解説。子育てには4つのパターンがあり、「賢明な育て方」をすると、子どもはやり抜く力が強くなる。

賢明な育て方に該当する親は、子どもの心理的欲求を正確に判断している。子どもの能力を最大限に引き出すことは、愛情と自由を与えるととともに、限度を示すことも必要。その毅然とした態度は、権力ではなく知識と知恵に基づいている。

f:id:keita_shimab:20161219151034j:plain

 

こちらは、「優しい教育」側の実例として取り上げられていた親御さんのコメントで気になったもの。「自分の夢を追いかければいい」「高校中退もOK」と、一見“甘やかし”にも見える親御さんのスタンスは、、、

辛いと時にも諦めずに続けられるかどうかは「私ならできる」と思えるかどうかにかかっている。その信念はどこからくるかといえば、自尊心から。一方で、自由を与えながら「限度」を示す。


とある環境に身を置く。というテクニック

おもしろかったのが、やり抜く環境に身を置いて、やり抜かざるを得ない環境に身を置くのも有効って話し(環境って無視できないよね)。

とある人格形成理論。ブレント・ロバーツが唱える『対応原則』。「人は自分の性格に適した状況に引き寄せられるが、その結果、さらにその特徴が強化される」(この関係は、好循環と悪循環のどちらにも繋がる可能性がある)と。

あるパーソナリティ研究者たちによると、人間の性格は幼年期でほぼ固まってしまうというのが一般的だったが、そうではないと(ので、努力すればどうにでもなる)。


ご褒美を与える。というテクニック

ラットの実験。楽してエサが食べられるラットと、エサまでにいくつか乗り越えなければならない障害が用意されているラットとでは、後者の方が貪欲にエサを求める。
別の話し。子どもたちに課題を解かせる実験。簡単な問題ばかり与えられる子と、簡単な問題がとけたら難しい問題を与えられる子。後者の方が勤勉になる(※両者とも、回答後にはご褒美が貰える)。

 

「学習性無力感」(回避できないストレスを繰り返し与えられた動物は、なにをやっても無駄だと思い、逃げる努力すら行わなくなる)という研究結果がある。
これを踏まえたうえで、アイゼンバーガーという学者は、前述のラットの事象を「学習的勤勉性」と名付けた。
ラットも人間も、体験を通して「努力と報酬の関連性」を学ばない限り、放っておけば怠けてしまうようにできているらしい。動物は進化の過程において、必死な努力をしなくてすむときは、なるべく手を抜くようになったとのこと。ふむふむ。


まとめ

えらい長いことかかった読書。読み終わっての自分なりのまとめ。

  • 「やり抜く力」重要。でも、実はこれ能力ではなく努力の結晶。
  • トリガーは自分。まずは興味を掘り下げよう。
  • 取り組み続けるための工夫。目標を設定してクリアする練習を習慣化。
  • 今目の前の取り組みが大きな目的と繋がっていることを実感する。
  • とはいえ環境も大事よね。
  • 親、コーチ、教師、上司、メンター、友人など、「やり抜く力」を伸ばすことに強く影響するよ(気をつけて&大事にね)

 

読み終わって感じたのは、特に新しい発見は無かったということ。


そもそもなぜこの本を手に取ったのか忘れてしまったけれど、たぶん「攻略法」的な情報(乱暴に言うなら、努力せずやり抜く力が身に付く方法)を探してたのかな。忘れたけど。

 

とはいえ『結局、自分次第』というのは、(いま上手くいっていない状況であれば)捉え方次第ではキツイことかもしれないけれど、主導権は自分にあるのだから、なんとも未来ある話しではないかと。自由と責任、権利と義務をしっかり意識しながら、主導権は自分にある(自分にしかない)ことに目を向けるべきだな。と考えさせられる本でした(←話し変わってる?w)

UX KANSAI vol.8 ペーパープロトタイピング

UX KANSAIもいよいよ大詰め。今回は、セミナー内容は当然ながら、ここに至るまでの経緯で得られることが多い回になった。

 

f:id:keita_shimab:20161210194144p:plain

 

本日を迎えるにあたって

ここ2~3ヶ月かけて検討したことを、一回壊して本日に挑みました。

前回「このままじゃビジネス考えられないかも。。。どうしよ」みたいに終わって、直接MTGはできなかったので、メッセンジャーでいろいろ相談。なかなか検討に時間がかけられなかったり。リアルタイムに共有・レスができなかったり(そりゃみんな仕事してるもの。。。当然)、なかなかの動き・動かし辛さは感じつつも、出来る限りのことはやろうと腹をくくり、(不十分ではありながら)少しは改善がみられたかも。

作っては壊すの「プロタイプ」思想。ここでも重要。

つくっては壊すを体現した感じ。正解なんてない世の中だからこそ、作っては壊しで精度や確度を高めるのが大事だし、でもそれってしんどいし、でもやったらやっぱり良いね!ってのを体感できた。


で、今日の話し(テーマ:ペーパープロトタイピング)

プロトタイプとは、ざくっと作っていけてるか評価すること。

以下セミナーで学んだことメモ。

 

●プロトタイピングの種類

・プロトタイプ:スケッチ・観察
・プロトタイピング:評価

 

ワイヤーフレーム

必ず手書きで。PCでキラキラしたやつ作っちゃうと、本質的な間違いとかが分かりづらい。良く見えちゃうので。
ただ、手書きって言っても「雑」と「ラフ」は違う(「雑」はダメ)。ラフは、フリーハンドでむちゃ丁寧に書いたやつ。

 

●物事の理解には2つある。「構造」と「手順

例えば洗濯機。昔は作りもシンプルで構造を理解して使用していたけれど、今は高性能になり構造を理解するのは無理。じゃあどうしてるかって言うと、手順で理解している(何分乾燥とかじゃなく●●洗い、みたいな)。
「構造」は図書館学からきていて、イメージしやすいのはWebのツリー構造。
一方、いまはアプリが出てて、アプリはツリー構造ではなく「手順」。これを「UXフロー」という(※前回の講座参照)。

 

●ペーパープロトタイピングと親和性がたかい「アクティングアウト(寸劇)」。これで初めて、適切に評価できるようになる。

この有効性は本日のセミナーで実感できた。ただ、企業では残念ながら有効活用できていない。それをうまくいかせるために、3つの手法があるのだよ。


1. ストーリーボーディング
浅野先生オリジナル。ワイヤーフレームをUXフローやシナリオに沿って並べ、被験者にペルソナになりきり発話しながら操作してもらう。複数の目で見るので問題点が共有しやすい。

 

2. 体験プロトタイピング
Prottとか使って、実際外に出て使ってみる。

 

3. 体験ムービー
実際の利用シーンをムービーにして、利用シーンを具体的にかたちにする。

 

●人のモチベーションは「裁量権

例えば旅をコンシェルジュ系の提案型サービス。確かに便利だけど 2回目の利用は(その土地では)無い。別の土地で同じサービスが使われてしまう(※今回想定している企業さまではそれは不適)。

 

●条件入力とかサイアク

操作として、「希望条件を入力する」とかって、絶対ニーズにマッチしない。人の欲求は言語化できない。例えば不動産サイトで「角部屋」とか「駅から徒歩5分」とかの条件があるけれど、ユーザーは「昔住んでいた土地と似た雰囲気か」とか、そういうのが気になる。「私」のことを知らない人に提案されてもぐっとこない(特に相手はビジネスで提案しているので)。それよりも「自分に似た感性の人が求めているもの」とかの方が受け入れられやすい。

 

こっから以下は、思ったこと。

 

ワイヤーフレームは手書き」っていうのが刺さった。たまに「手書きだと良いか悪いか判断できない」って言われることがあるけど、違うじゃん、と。


「ラフではなく雑だからダメなのか?」って反省しかけたけど、たぶんそうでなくて見る側のやる気の問題かな。は、言いすぎで、たぶんピカピカなプロト作って、本質とは別の議論をしていることが多いかも、と。だから決定打が何かのか分からず、果てには「責任者さまの好み。。。」とかなるんかな。。。危ないなー。

 

レッツアクティングアウト

そもそも自分たちで考えていることなので、正直そこから新たな発見はなく、具体的に検討を進めるのに有効だなと。ただ、これをすればちゃんと「外化」できるので、周囲からFBをいただくことができる。FB大事(何事も)。

 

ビジネスってむずかしい

今回は実在する企業をモデルに、新規事業を検討する感じ。こっちを立てればあちらが立たず。いいかもと思えば独りよがり。。。とか、ビジネスって難しい!でも、そんことが実感できるこの場ってとても貴重!

「なぜこのビジネスをこの会社がやる必要があるのか?」これに尽きるような気がします。それは、やりたいって「想い」もあれば、それ以外にも。時代背景とかユーザーの気分感とか?いろいろありそう。

 

「リフレーミング」って習ったよね?

先生から「結局みんな正攻法」とのコメントが。突飛なことやっても非現実的だし、それこそ「企業がやる意味」とかも薄まりそうだし。。。って考えていて、そもそもペルソナ分析が甘いのか??
とかうねうね悩み中。。。