実践練習ではなく反復練習でこそ上達する(『成功する練習の法則』読書メモ vol.7)
とある有名な武道家が、天下一を決める武道会出場のためお師匠様の下でやったことは、武術の練習ではなく “素手で畑を耕す” ことと、“亀の甲羅を背負って牛乳配達をした”こと。という逸話がありました。
↓こちらの本の42の法則のうち、7番目の法則。
(※42の法則(本の目次)は文末に記載)
反復練習と実践練習
反復練習の目的は「スキルの開発」
ひとつのスキルに最大限集中して磨きをかける。ひとつのスキルに向ける精神的能力の最大化を目指す。
実践練習の目的は「評価と最終準備」
リハーサル。反復練習で得たスキルが実際に使えるかどうかのチェック。
前者を飛ばして後者に進むと中途半端になり上達はできない。
米国大学バスケット史上最高のコーチといわれるジョン・ウッデンの例。
ウッデンは20人の選手が5つのボールを使って、きちんと設計された予測可能な環境で練習する方が、10人の選手がひとつのボールを使って、予測不可能な実践に近い練習をするより効果があることに気付き、ほかの大勢のコーチよりあえて多くの反復練習を― そして少ない実践練習を)― 行った。
実践練習は楽しいことが多いけれども、手軽なので頼ってしまいやすく、明確な目標のない練習になるおそれがある。
とは言え反復練習オンリーではダメ。1つ1つのスキルを“統合”することも大事。
選手のスキルを統合するには、実践練習で教えるしかないと信じているコーチもいる。しかし、反復練習でも簡単にスキルを統合できる。すでに習得したスキルを統合するための反復練習もるのだ。
「素手で畑を耕してばっかじゃ不安だぞぉ」という貴殿へ。
多くの人は最初の反復練習が終わると、そのスキルを試合に取り入れたり、実践練習をやってみたくなったりするが、うまくいかないことが多い。かえって不満が募り、混乱を招く可能性がある。段階的なドリルによる練習は、あらゆる分野のチャンピオンコーチが取り入れている。
◆「成功する練習の法則」目次 ◆
① 練習の思い込みを見直そう
1. 成功を体感できるものにする
2.最大の価値を生む20%に集中して取り組む
3.無意識にできるようになるまで徹底する
4.無意識にできるようになれば、創造性が解き放たれる
5.目的を目標に置き換える
6.得意分野を見つけて磨きをかける
7.実践練習ではなく反復練習でこそ上達する
8.批評ではなく、正しい方法でやり直しを求める
② どんな練習にするか考えよう
9.ゲームを分析する
10.スキルを分離して個別に練習する
11.スキルに名前をつけて共有する
12.スキルを統合して練習を本番に近づける
13.練習計画を立てて修正する
14.1分1秒を大切にする
③ 手本を活用しよう
15.手本と手順書の両方を使う
16.事前にすべきことを伝える
17.できそうと思わせる手本を示す
18.完全な手本を示す
19.手本をそのまままねさせる
20.分解して手本を示し、繰り返す
21.手本に近づく道筋を示す
22.ビデオを活用する
④ フィードバックをしよう
23.フィードバックを取り入れて練習する
24.フィードバックをまず活用し、あとで考える
25.フィードバックのループを短くする
26.フィードバックの「ポジティブな力」を使う
27.少数のポイントに集中する
28.フィードバックを日常のことにする
29.問題ではなく解決側を説明する
30.フィードバックを定着させる
⑤ 練習できる組織を作ろう
31.まちがいを練習の一部にする
32.練習の障害を打ち破る
33.練習を楽しくする
34.全員が挑戦する
35.仲間同士の責任感を強める
36.練習のための人材を選ぶ
37.仕事を褒める
⑥ 練習は終わらない
38.できているかどうか観察する
39.本番中には教えず、思い出させる
40.練習について絶えず話し合う
41.支援を要求のバランスをとる
42.成功を計測する